前回めちゃめちゃなものを読んだので綺麗なのが読みたくて最近読み始めて信頼している折原一。
やっぱり読みやすい。
残雪の北アルプスで、若手会社員・笹村雪彦は所属する山岳サークルの登山行で足を踏み外し、滑落死を遂げた。だが山を愛した彼に捧げた追悼集は、死因に疑いをもった母親の行動によって、予想外な内容に……。登山届、現地地図、死体検案書など、詳細な記録を収録した2分冊の追悼集に込められた惨劇の謎とは何か?
引用:楽天ブックス
折原一にしては、いまいち。
というのが素直な感想。
というよりは折原一は当たり外れがある作家なのかもしれない。
あらすじ読むとめちゃめちゃワクワクしちゃったんですけど、意外というか順当というか、まとまりすぎた印象。
折原一のいいところでもあると思うんですけど、すごくサラリとしてるんですよね。
今まで読んできた他のものであれば、サラリとした中にドロリとしたブラックジョークなんかが活きていてそこがすごくいいアクセントになってたんですけど、「遭難者」はサラリとしたまま終わってしまった。
追悼集という形態が面白いものの、犯人や動機にも意外性は無く、物語としてはとても普通。
それでもこんなややこしくなりそうな形式を採用し、それをすごく読みやすいところまで持ってくるのはさすが。