豊島ミホの高校時代を綴ったエッセイ。
基本的にエッセイってそんなに好きじゃないんですよ。
でも、ドキュメンタリーは好きなんですよ。
なんなんですかね、やっぱりエッセイは女優のもの、みたいなイメージ持っちゃってるのかな。
そんな僕でも、大好きで、何度も何度も読んでいる1冊。
ボロボロになってしまったので、今2冊目なんだけどそれも結構ボロボロ。
それでも1冊目も処分できないくらいに好き。
他に同じ本を複数所持してるのは、寺山修司少女詩集が4冊ある。
寺山修司少女詩集も大好きすぎる・・・
「本当の私」なんて探してもいません。みっともなくもがいてる日々こそが、振り返れば青春なんです―。「底辺」な生活から脱出するため家出した高校二年の春。盛り下がりまくりの地味な学祭。「下宿内恋愛禁止」の厳粛なる掟。保健室の常連たち。出席時数が足りなくて、皆から遅れた一人きりの卒業式。最注目の作家によるホロ苦青春エッセイ。
引用:楽天ブックス
エッセイではあるんですが、高校入学から卒業までをほぼ時間軸で書いているため、私小説のような印象も受ける。
そこも普段エッセイ好きじゃない僕でも楽しめる要因の一つなのかもしれない。
同級生だったYさんのお葬式なんかは、本当にすばらしいエッセイだと思うし、あれを書けてしまう豊島ミホの力量、視点の独特さ、さすがだ。
他にも笑えるエピソードや新発見できる感覚もありつつ、そんな中でも僕が一番好きなのが卓球のエピソード。
その中で
平和だ。世界はちっちゃいほど平和になりやすいのだ。
という一節。
本当に素晴らしいし、日本の文学史に残っていい一節じゃなかろうか。
ただ、文学じゃないのが難点だ。
小説では「檸檬のころ」あたりがすごくすき。
信頼できる作家のうちの一人。
でも、まだ読んで無いのもいっぱいあるや。
読もう。