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降田天「女王はかえらない」

いまいちな事が多い事で有名な「このミステリーがすごい!大賞」の受賞作。
「ミステリー」を広義に解釈しすぎなのではないかな、と思う。正しい解釈という事にもなるけど。

あらすじ

小学三年生のぼくのクラスでは、マキが女王として君臨し、スクール・カーストの頂点に立っていた。しかし、東京からやってきた美しい転校生・エリカの出現で、教室内のパワーバランスは崩れ、クラスメイトたちを巻き込んだ激しい権力闘争が始まった。そして夏祭りの日、ぼくたちにとって忘れられないような事件が起こる―。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。
引用:Amazon

感想

慣れすぎた。僕はミステリーに慣れすぎた。
登場人物の名前がカタカナだと、それだけでもう疑ってかかってしまう。

一章は「ミステリー」というよりも「スクールカースト」もの。
小学生という狭い世界の中で、地元育ちのマキと都会の令嬢エリカ、の女王争い。
一章の終わりで大きな事件が起こって、そこから二章、そして解決編の三章という構成。

とにかくこの一章が面白い。

僕は小学生だったのはずいぶんと昔の事だし、そもそも男子だったので、馴染みは正直あまりなんだけど、語られているエピソードがやけに生々しく感じられて、これがリアルにしろ、リアルじゃないにしろ作者の描写のうまさだな、と。
特に、優勢だったエリカが「親が年寄り」って理由だけで一気に劣勢になってしまう様とかマジっぽくて辛い。

ネタバレありの感想

ただ、ミステリーとしてどうなんでしょう。
二章の存在価値、ただ、読者に「ぼく」=「私」と勘違いさせたいためだけにあると捉えられてもしょうがない。
まぁ、二章がなかったらそもそもミステリーにならないんですけど。

名前のトリックは案の定だしね。
二章になって急にフルネームになって、そこが不自然で二章の時系列おかしいんだろうな。って思ってしまって、「ということは、メグって名字が恵で男か」というところまで割とすんなり思えてしまった。

最近流行りの性別誤認トリック必要ない気がするんですよね。
動機を無理に恋愛にしなくてもいいと思う。特に犯行時小学3年生なんだし、友情で充分いけたんじゃないかな。

どんでん返しの数で勝負するのもうやめて欲しいです。

スクールカーストものとしてすごく面白いです。
いい後味の悪さ。

Book | 2017年5月10日