Nobutake Dogen.com

辻村深月「ネオカル日和」

物語が好きな人なら誰にでも、やけに琴線に触れる作家さんって誰にでもいるかと思うんですけど、僕にとっての辻村深月さんがそんな作家のうちの一人。

僕が初めて触れた辻村深月作品は「ぼくのメジャースプーン」で、出会い方としては変な出会い方をしたのでそれも含めてそれ以来大好きな作家さん。

そんな辻村深月のエッセイ集。
辻村さんの好きなもの、興味のあるものが詰まっていて、そして、おそらくわざと、それぞれをあまり彫り下げずに紹介してくれています。
好きな人の好きなものの話を聞く・読むのはやっぱり楽しいんですけど、この本のスタンスが「(読者が)好きになるかどうかの判断は自分でして」という、少し冷たいような感じを受ける人もいるかと思いますが、そこの温度感がとても心地よく、読んだけど「辻村深月さんはそういうけど、僕はやっぱり好きじゃないよ」と、憧れの辻村深月さんと対話をしているような気分にさせてくれるエッセイ集です。

小説にも辻村深月の「少し冷たい」感じってすごくあって、人間の残酷さや、醜さもしっかりと描いてる作家さん。もちろん、それと同じだけ人間の優しさや、美しさも描いてくれててそのバランス感が相性の良さになっているんだと思う。

この本、エッセイだけではなく、ショートショートも入っていて、それがまた残酷で優しい、辻村深月らしい物語。
素晴らしい物語。
エッセイ好きじゃ無い人もこのショートショートのためだけに買っても満足できると思いますよ。

僕も、普段あんまりエッセイ集って読んでいなくて、それは単純に僕にとって面白い(楽しい)と思える作品が少ないジャンルで、それでも時々こんな風に面白い(興味深い)エッセイ集に出会えるから、ジャンルで敬遠とかしちゃだめですね。

スポンサーリンク

Book | 2016年10月2日