Nobutake Dogen.com

岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」

密室ものを続けて読んでみようと思ってこれを積読から。
と、思ったら密室ものではなかった!クローズドサークルものだった!
だがしかし、面白かった!さすがだ岡嶋二人。

あらすじ

富豪の若き一人娘が不審な事故で死亡して三カ月、彼女の遊び仲間だった男女四人が、遺族の手で地下シェルターに閉じ込められた。なぜ?そもそもあの事故の真相は何だったのか?四人が死にものぐるいで脱出を試みながら推理した意外極まる結末は?極限状況の密室で謎を解明する異色傑作推理長編。
引用:Amazon

“異色傑作推理長編”とのことですが、最近では正直よくある設定。
最近というか、SAW以降によくある設定。正直大好物だ。
とは言え、期待外れになることが多いのも確か。そんな中これはすごくいい。すごく楽しかった。
SAWが2004年公開で、「そして扉が閉ざされた」はSAWの15年以上前の作品だそうで。
その時代では異色だったんだろうな。

スポンサーリンク

ネタバレありの感想

すごく当たり前のことを言うとすごくフィクション的。
咲子、咲子の母を含めて、6人のキャラクターがみんなすごくステレオタイプ的。
咲子の死に関わったであろう4人が核シェルターという密室に閉じ込められ、咲子の死の真相と突き止めなければならない、というシチュエーションも舞台のようで、否が応でもワクワクする。この時点で密室ものじゃないぞ、と気付いたがページをめくる手は当然止まらず。

ダミーの回答はすごく論理的だし、その後の真相もとても論理的。
視点の人物=犯人っていう真相だと飛び道具的というか無理矢理な部分が多いことがよくあるけど、本人が咲子を殺してしまったことに全く気づいていなかった、という点がとても自然で説得力もあり、驚きもある。

殺意はなかった、というのは咲子の母にとってどのような意味を持ったのか。
その答えを知ることができないのが、とても切ない。

2018年 年間ベスト

  1. 西加奈子「ふる」
  2. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  3. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  4. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  5. 瀬川コウ「謎好き乙女と奪われた青春」
  6. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  7. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  8. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  9. 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」
  10. 東野圭吾「仮面山荘殺人事件」
  11. 有栖川有栖「46番目の密室」
  12. 青崎有吾「体育館の殺人」
  13. 下村敦史「生還者」
  14. 佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」
  15. 岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」
  16. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  17. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  18. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  19. 東野圭吾「放課後」
  20. 長江俊和「出版禁止」
  21. 東川篤哉「密室の鍵貸します」
  22. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  23. ネレ・ノイハウス「深い疵」
  24. 折原一「覆面作家」
  25. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  26. ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
  27. 首藤瓜於「脳男」
  28. 西澤保彦「麦酒の家の冒険」
  29. カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ「犯罪は老人のたしなみ」
  30. 原宏一「床下仙人」
  31. 島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
  32. 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」
  33. 木下半太「鈴木ごっこ」
  34. 高木敦史「演奏しない軽音部と4枚のCD」
  35. 枝松蛍「何様ですか?」
  36. 伊原柊人「隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?」
スポンサーリンク

Book | 2018年5月10日