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伊坂幸太郎「仙台ぐらし」

僕はエッセイ集があまり好きでは無い。
とは言うものの、豊島ミホの「底辺女子高生」なんかは棺に入れてほしいくらい大好きな本だし、「本棚探偵シリーズ」は何度読んだことか。

内容紹介

タクシーが、見知らぬ知人が多すぎる。仙台に住み執筆活動を続ける著者が、日々の暮らしを綴ったエッセイ集。あの傑作小説はこうして生まれた! 短編小説「ブックモビール」も収録。(解説/土方正志)
引用:Amazon

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感想

僕の家は買った本をまず布団横に積んでいる。寝る前や起きたときにすぐ目につくようにだ。できる限り積ん読を崩していくためにだ。
その積ん読は常に30冊くらいが積まれており、「仙台ぐらし」は積ん読の中ではかなりの古株になっていた。
エッセイ集を読むのに適した想いではないけれど、思い切って読んでみた。

そしたらまぁ、面白い。

伊坂幸太郎は奇跡の人だ。というとまるでイエスキリストのようだけど、そういう大きな話ではなくて、なんか素敵な偶然に巡り合う人だな、と。
または、偶然の出会いを素敵なものにすることが得意な人なのかもしれない。
それは伊坂幸太郎の才能であるし、その才能は小説(フィクション)にもすごくよく表れている。
伊坂幸太郎の小説を読んで感じる、素敵な偶然。奇跡のような偶然。
それは時折、フィクションの世界ではご都合主義だなんだと言われてしまうようなものなのかもしれないけれど、伊坂幸太郎の世界ではごくごく自然に起きていることなのかもしれない。

震災後のコラムなんかは本当に素晴らしく、仙台で暮らしている一人の人間としての想いなんかがすごくリアルで主観的に書かれていて感動的だ。
ここまで生々しいものを伊坂幸太郎が書いたことに驚くし、それを文庫化までしてしまった想いを一読者として受け止めたいと思う。
でも、この本はあくまで「震災の本」ではなく、エッセイ集なわけだけど、エッセイ集にしては変化球すぎるし、エッセイ好きな人はどう思うのかはすごく気になる。

伊坂幸太郎の小説も読み直して行きたくなってしまった。
読みたい本が多すぎる。

2018年 年間ベスト

  1. 西加奈子「ふる」
  2. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  3. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  4. 筒井康隆「朝のガスパール」
  5. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  6. 井上真偽「その可能性はすでに考えた」
  7. 井上真偽「探偵が早すぎる」
  8. 瀬川コウ「謎好き乙女と奪われた青春」
  9. 竹本健治「涙香迷宮」
  10. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  11. 野村美月「文学少女と繋がれた愚者」
  12. 野村美月「文学少女と慟哭の巡礼者」
  13. 野村美月「文学少女と神に臨む作家」
  14. 野村美月「文学少女と月花を孕く水妖」
  15. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  16. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  17. 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」
  18. 辻村深月「盲目的な恋と友情」
  19. 辻村深月「鍵のない夢を見る」
  20. 野村美月「文学少女と死にたがりの道化」
  21. 野村美月「文学少女と穢名の天使」
  22. 伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」
  23. 辻村深月「ハケンアニメ!」
  24. 東野圭吾「仮面山荘殺人事件」
  25. 有栖川有栖「46番目の密室」
  26. 青崎有吾「体育館の殺人」
  27. 下村敦史「生還者」
  28. 野村美月「文学少女と飢え渇く幽霊」
  29. 木内一裕「デッドボール」
  30. 佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」
  31. 森絵都「カラフル」
  32. 井上荒野「あなたの獣」
  33. 東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」
  34. 岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」
  35. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  36. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  37. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  38. 竹宮ゆゆこ「あしたはひとりにしてくれ」
  39. 伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい?」
  40. 西澤保彦「殺す」
  41. 東野圭吾「放課後」
  42. 長江俊和「出版禁止」
  43. 東川篤哉「密室の鍵貸します」
  44. 倉知淳「星降り山荘の殺人」
  45. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  46. 秋吉理香子「暗黒女子」
  47. ネレ・ノイハウス「深い疵」
  48. 折原一「覆面作家」
  49. 恩田陸「木漏れ日に泳ぐ魚」
  50. 大石圭「人を殺す、という仕事」
  51. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  52. ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
  53. 綾辻行人「どんどん橋、落ちた」
  54. 首藤瓜於「脳男」
  55. 西澤保彦「麦酒の家の冒険」
  56. 青柳碧人「西川麻子は地理が好き。」
  57. カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ「犯罪は老人のたしなみ」
  58. 原宏一「床下仙人」
  59. 島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
  60. 折原一「耳すます部屋」
  61. 七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
  62. 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」
  63. 木下半太「鈴木ごっこ」
  64. 高木敦史「演奏しない軽音部と4枚のCD」
  65. 遠藤武文「トリック・シアター」
  66. 伊原柊人「隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?」
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Book | 2018年5月9日