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青崎有吾「体育館の殺人」

「体育”館”の殺人」と、まるでパロディもののようなタイトルだったり、探偵役の裏染くんがやけにオタクだったりと、すごく今時な学園ミステリなんですけど、トリックや謎解き部分はとても硬派でいい意味で裏切られた。
やったぜ。

これがデビュー作ということで、これからも期待がしちゃう作家さんの一人になった。
やったぜ。
読者への挑戦状もついてますよ。

あらすじ

風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に―。“平成のエラリー・クイーン”が、大幅改稿で読者に贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。待望の文庫化。
引用:Amazon

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ネタバレありの感想

オタクで変態的で人を食ったような態度の天才。
探偵とはかくあるべし!というようなキャラクターで大好きだよ、裏染くん。
その他のキャラクターもとても漫画的。
第1作目ということでベタなキャラばかりを出しやすかった、などあるのかもしれないけど、そういう漫画的なキャラクター達のおかげで探偵役が刑事の真似事をするという非現実感がうまく溶け込んでる。

キャラは漫画的なのに、推理部分はとてもロジカル。
まぁ、”黒い傘だから男子”というのはいささか安直すぎる部分ではあるけど、黒い傘一本から推理を展開していき、容疑者を絞り込んでいく様はこれぞ探偵という感じでとても心地よい。

終わってみると、プロローグの扱いが見事。
叙述的な部分も楽しめる一冊だ。
「水族館の殺人」の方が評価が高いようで、こっちも読まねば。

読者への挑戦状については斜に構えすぎなんだけど、これはツンデレっていうことなのかな。

2018年 年間ベスト

  1. 西加奈子「ふる」
  2. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  3. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  4. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  5. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  6. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  7. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  8. 青崎有吾「体育館の殺人」
  9. 下村敦史「生還者」
  10. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  11. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  12. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  13. 長江俊和「出版禁止」
  14. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  15. ネレ・ノイハウス「深い疵」
  16. 折原一「覆面作家」
  17. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  18. ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
  19. 首藤瓜於「脳男」
  20. カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ「犯罪は老人のたしなみ」
  21. 原宏一「床下仙人」
  22. 高木敦史「演奏しない軽音部と4枚のCD」
  23. 枝松蛍「何様ですか?」
  24. 伊原柊人「隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?」
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Book | 2018年4月11日