Nobutake Dogen.com

瀬尾まいこ「おしまいのデート」

“デート”をテーマにした5つの短編からなる短編集。
と言うものの恋愛ものというわけではなく(全く恋愛要素がないわけではありませんが)様々な関係性の2人のデートにまつわるあれこれ。
瀬尾まいこでつまらないと思ったことがないし、これもやはりすごくよかった。

あらすじ

中学三年生の彗子は両親の離婚後、月に一度、父の代わりに祖父と会っていた。公園でソフトクリームを食べ、海の見える岬まで軽トラを走らせるのがお決まりのコース。そんな一風変わったデートを楽しむ二人だったが、母の再婚を機に会うことをやめることになり…。表題作のほか、元不良と教師、バツイチOLと大学生、園児と保育士など、暖かくも切ない5つのデートを瑞々しく描いた短編集。
引用:Amazon

・おしまいのデート
・ランクアップ丼
・ファーストラブ
・ドッグシェア
・デートまでの道のり

スポンサーリンク

感想

まずタイトルの「おしまい」という言葉のチョイスが見事じゃないですか?
瀬尾まいこは本当に言葉を、日本語を大事にしている人なんだろうな、と感動。

ランクアップ丼

5つの短編、それぞれにとても綺麗な輝きがあるんですけど、MVPは「ランクアップ丼」。
あらすじで言うところの「元不良と教師」のデートになるんですけど、話の展開はとてもベタで、結末はなんとなく読めてしまう。
あとはその結末がどのタイミングで来るのか?ってくらいなんですけど、2人の会話や関係性、2人の人間性がとても素敵で地味な場面ばかりなのにどんどんと引き込まれていく。
あと、たまご丼が本当に美味しそうに書かれてる。美味しそうな食事の描写がある小説は名作。
それに比べて、天丼の描写が(恐らくわざと)味気ないものに書かれていて、三好の味わった感覚(味覚)を読者も感じることができてしまう。

その他4つもどれも優しくてキラキラと輝く短編ばかり。
とは言え、甘ったるだけじゃなくて、しっかりと人間の嫌な部分も覗かせつつ。
それでも、読了後に爽快感が強く残るのはバランス感覚がいいんだろうな。

2018年 年間ベスト

  1. 西加奈子「ふる」
  2. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  3. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  4. 筒井康隆「朝のガスパール」
  5. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  6. 井上真偽「その可能性はすでに考えた」
  7. 瀬川コウ「謎好き乙女と奪われた青春」
  8. 竹本健治「涙香迷宮」
  9. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  10. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  11. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  12. 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」
  13. 伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」
  14. 辻村深月「ハケンアニメ!」
  15. 東野圭吾「仮面山荘殺人事件」
  16. 有栖川有栖「46番目の密室」
  17. 青崎有吾「体育館の殺人」
  18. 下村敦史「生還者」
  19. 木内一裕「デッドボール」
  20. 佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」
  21. 森絵都「カラフル」
  22. 岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」
  23. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  24. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  25. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  26. 伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい?」
  27. 東野圭吾「放課後」
  28. 長江俊和「出版禁止」
  29. 東川篤哉「密室の鍵貸します」
  30. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  31. ネレ・ノイハウス「深い疵」
  32. 折原一「覆面作家」
  33. 恩田陸「木漏れ日に泳ぐ魚」
  34. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  35. ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
  36. 首藤瓜於「脳男」
  37. 西澤保彦「麦酒の家の冒険」
  38. カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ「犯罪は老人のたしなみ」
  39. 原宏一「床下仙人」
  40. 島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
  41. 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」
  42. 木下半太「鈴木ごっこ」
  43. 高木敦史「演奏しない軽音部と4枚のCD」
  44. 遠藤武文「トリック・シアター」
  45. 伊原柊人「隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?」
スポンサーリンク

Book | 2018年4月5日