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原宏一「床下仙人」

全5編の短編集。
「カフカに勝る絶妙な仕掛け」なんて大きく出たキャッチコピーが気になって購入。
これが完全に言い過ぎ。カフカと比べるとだいぶ劣る。

あらすじ

「家の中に変な男が棲んでるのよ!」念願のマイホームに入居して早々、妻が訴えた。そんなバカな。仕事、仕事でほとんど家にいないおれにあてつけるとは!そんなある夜、洗面所で歯を磨いている男を見た。さらに、妻と子がその男と談笑している一家団欒のような光景を!注目の異才が現代ニッポンを風刺とユーモアを交えて看破する、“とんでも新奇想”小説。
引用:Amazon

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感想

無添加というか無味無臭な文体。
とても読みやすいといえば聞こえはいいけど、個性が無いとも言える。

現代日本の風刺がなんとかかんとか。って感じの小説なんですけど、そこまで尖ったことを言っているわけでもなくメッセージ性としても薄く淡く、残るものが少ない。
とは言うものの、もう20年ほど前の刊行になるので、仕方がない部分もあるのかな。

リアリティを残しているのか、それともこれも時代のずれなのか、全5編ともオチが弱い。
個人的な好みとしては、もっと壊れた部分なんかが欲しいので、物足りない。

星新一や筒井康隆の系譜にはなるんだろうけど、星新一に比べると冗長だし、筒井康隆に比べると優等生すぎる。
でもこういう、何てことの無い小説って時々読みたくなる。

2018年 年間ベスト

  1. 西加奈子「ふる」
  2. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  3. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  4. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  5. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  6. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  7. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  8. 青崎有吾「体育館の殺人」
  9. 下村敦史「生還者」
  10. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  11. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  12. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  13. 長江俊和「出版禁止」
  14. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  15. ネレ・ノイハウス「深い疵」
  16. 折原一「覆面作家」
  17. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  18. ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
  19. 首藤瓜於「脳男」
  20. カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ「犯罪は老人のたしなみ」
  21. 原宏一「床下仙人」
  22. 高木敦史「演奏しない軽音部と4枚のCD」
  23. 枝松蛍「何様ですか?」
  24. 伊原柊人「隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?」
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Book | 2018年3月25日