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東野圭吾「十字屋敷のピエロ」

東野圭吾の本格ミステリ。
初期の頃の作品になるのですが、凄いな東野圭吾。
こういう作品も書けるのか、多彩だ。

所々に挿入される事件の目撃者であるピエロからの視点。
これが見事。
神様の視点では書けない、書きづらい箇所をフェアに書いてくれている。

あらすじ

ぼくはピエロの人形だ。人形だから動けない。しゃべることもできない。殺人者は安心してぼくの前で凶行を繰り返す。もし、そのぼくが読者のあなたにだけ、目撃したことを語れるならば…しかもドンデン返しがあって真犯人がいる。前代未聞の仕掛けで推理読者に挑戦する気鋭の乱歩賞作家の新感覚ミステリー。
引用:Amazon

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ネタバレありの感想

本格ミステリっぽい雰囲気がすごく良い。
いわくつきの人形とそれを追ってきた人形師の悟浄。
車椅子の美少女に、オーストラリアから帰ってきた狂言回しの主人公。
十字の形をした屋敷。
と、それっぽいアイテム盛りだくさんでワクワクしちゃう。

探偵になりそうな人がたくさん。
最後の真相にたどり着けるのは、悟浄とピエロというど本命ではあるものの、序盤の探偵役は青江や警察。
この意外性もすごく楽しめた要因の一つ。

十字屋敷の鏡を使ったトリックはなんとなく想像はついた。
でも、それがピエロを置いた理由になったりなんてのは全然気付けていなかった。
細かい部分まで練られた構成、すごい。

「あたしたちには、あたしたちなりのやり方があるんです。両足が自由に動く人たちよりも、ずっと巧いやり方が。」

佳織のこのセリフ、最後の真相につなげる前振りとしてすごくよく効いてる。
ただ、青江を失ってしまった佳織がかわいそうでしょうがない。
でもそれも、「犯罪は割に合わない」ってことなのかもしれない。

これ、悟浄とピエロのコンビでのシリーズモノにしようとしていたのではないかな?って終わり方。
でも、これ1冊だけだよね?なんでだろう。
評判がそんなによくなかったのかしらん。
こんなに面白いのに。
不思議だ。

2018年 年間ベスト

  1. 西加奈子「ふる」
  2. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  3. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  4. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  5. 瀬川コウ「謎好き乙女と奪われた青春」
  6. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  7. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  8. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  9. 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」
  10. 東野圭吾「仮面山荘殺人事件」
  11. 有栖川有栖「46番目の密室」
  12. 青崎有吾「体育館の殺人」
  13. 下村敦史「生還者」
  14. 佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」
  15. 岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」
  16. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  17. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  18. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  19. 東野圭吾「放課後」
  20. 長江俊和「出版禁止」
  21. 東川篤哉「密室の鍵貸します」
  22. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  23. ネレ・ノイハウス「深い疵」
  24. 折原一「覆面作家」
  25. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  26. ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
  27. 首藤瓜於「脳男」
  28. 西澤保彦「麦酒の家の冒険」
  29. カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ「犯罪は老人のたしなみ」
  30. 原宏一「床下仙人」
  31. 島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
  32. 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」
  33. 木下半太「鈴木ごっこ」
  34. 高木敦史「演奏しない軽音部と4枚のCD」
  35. 枝松蛍「何様ですか?」
  36. 伊原柊人「隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?」
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Book | 2018年3月12日