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梓崎優「叫びと祈り」

異国の地を舞台にした連作短編集。
「海外」というよりは「異国の地」の方がしっくり来る気がする。
これ、かなり好きだ。かなり面白い。

あらすじ

砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作を巻頭に据え、美しいラストまで突き進む驚異の連作推理。各種年末ミステリ・ランキングの上位を席捲、本屋大賞にノミネートされるなど破格の評価を受けた大型新人のデビュー作。
引用:「BOOK」データベース

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感想(ネタバレあり)

ホワイダニットものとしてとても優れた連作。
斉木を旅人、としたのもすごく上手で、異国の地での文化にのめり込んでるわけではなく、そこが異なる文化との価値観の違い、というよりは相互理解の断絶を表している。

ラストの「祈り」が多少失速しますが、それ以外の4編は本当に見事。
無理にまとめようとしなくてよかったのではないかな、と思う。

凍れるルーシー

個人的に一番お気に入りがこれ。
土地としての価値観ではなく、土地に根付いた宗教観、特に個人に紐付いた宗教観が動機となっている。
犯人側からも探偵(斉木)側からもお互いのことが永遠に理解し合えない。
“あなたは何も分かっていない”ことが動機であり、作品そのものの大きな魅力となっている。
落ちも大好き。
どう読むか、余白のある落ち大好き。

 

作者の他の作品も必ず読もう。

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Book | 2017年12月26日