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森博嗣「冷たい密室と博士たち」

森博嗣のS&Mシリーズの2作目。
すべてがFになる (講談社文庫)」がとてもよかったのでこれも。
1作目に比べるとだいぶ”本格”。
メフィストっぽさ薄めです。

あらすじ

衆人環視の密室殺人者の手口は!?
低温度実験室の事件を推理する犀川助教授とお嬢様学生・萌絵
同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川(さいかわ)助教授とお嬢様学生の西之園萌絵(にしのそのもえ)。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女2名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが……。究極の森ミステリィ第2弾。
面白ければ良いんだ。面白ければ、無駄遣いではない。子供の砂遊びと同じだよ、面白くなかったら、誰が研究なんてするもんか。
引用:Amazon

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感想(ネタバレあり)

「すべてがFになる」に比べると正直結構見劣りします。
トリック、真相が前作に比べてだいぶ大人しめ。
というのもこの作品はフーダニット、ハウダニットがメインじゃなくてあくまでホワイダニットがメインなんでしょうね。

その動機の部分、犯人の動機には納得できるんですけど、増田の自殺の理由はちょっと理解できないし、なにより、珠子が丹羽の暴行を知っていたとも限らない(丹羽と結婚するということを考えると知らなかったのでは?)のみ被害者となってしまうのはさすがにひどいな、と思ってしまう。
珠子が暴行のことを知っているって確定した情報って書かれていたっけ?なかった気がする。

トリックに関しても、トリックのために作られたような建物でちょっと興ざめ。
「すべてがFになる」の場合は思い切り非現実的(メフィスト的)な設定だったので、そういうのも許せるんですけど、大学という日常に限りなく近い場所でこういうのはちょっと卑怯かな、と。

なんか否定的な感じになっちゃったけど、シリーズものとしては充分に面白いので次も読む。

執筆順が「すべてがFになる」と逆でこっちが最初に書かれたものだそうですが、犀川のキャラクターをより深く掘り下げているし、今作の方が2作目として向いていると思う。

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Book | 2017年11月25日