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森絵都「宇宙のみなしご」

森絵都が好きだ。
森絵都が好きな自分が好きだし、好きと素直に言える自分が好きだ。
森絵都を好きでいられる限り、なんとかやっていける。

あらすじ

中学2年生の陽子と1つ歳下の弟リン。両親が仕事で忙しく、いつも2人で自己流の遊びを生み出してきた。新しく見つけたとっておきの遊びは、真夜中に近所の家に忍び込んで屋根にのぼること。リンと同じ陸上部の七瀬さんも加わり、ある夜3人で屋根にいたところ、クラスのいじめられっ子、キオスクにその様子を見られてしまう…。第33回野間児童文芸新人賞、第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞の青春物語。
引用:Amazon

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感想(ネタバレあり)

タイトルがすごくロマンチックで、陽子とリンが始める「屋根のぼり」という「遊び」のせいもあって、どんどんと気持ちはあったかく、優しい気持ちになれる。

そんな気持ちで読んでいたら、

「ぼくたちは宇宙のみなしごだから。ばらばらに生まれてばらばらに死んでいくみなしごだから。自分の力できらきら輝いてないと、宇宙の暗闇にのみこまれて消えちゃうんだよ」

と、こんな残酷な意味合いをもったタイトルで、度肝抜かれました。

セリフとしては少し残酷で、でもちゃんと力強く前を見ていて、そんな登場人物たちはとても眩しいし、彼ら・彼女らの関係はとても、理想的なものと言えるようなものでは無いのに、それでも「こんな友達が・こんなクラスメイトが・こんな家族がいてくれたら」と思わずにはいられない。

最後までキオスクというイジメと取られかねない呼び名で呼び続けることにも好印象。
そして何より七瀬の成長っぷり。
誰かと一緒じゃなきゃ行動できない女子、という中学校のクラスにいそうなキャラだった七瀬が一人で走っていたシーンはとてもいいシーンなのにさらりと書かれていて、それがまた素敵だ。
それを見たリンと陽子の気持ちもさらりと、心地よかったんだろうな。

きっと何度も読める一冊。

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Book | 2017年11月18日